ECビジネスは、いまや誰でも始められる時代です。
楽天やYahoo!、自社サイトを使えば、実店舗を持たずに全国へ販売できます。
しかし――
「売上はあるのに利益が残らない」
「広告費が増えるほど資金が減る」
「月商1,000万円なのに手元にお金がない」
こうした失敗は珍しくありません。
その原因はシンプルです。
“売上”を見ていて、“事業設計”を見ていないからです。
ECで企業を目指すなら、始める前に押さえるべきポイントがあります。
それは「数字」「戦略」「リスク」の3つです。
① 知らないと破綻する「数字」の話
多くの人が「粗利率」だけを見て安心します。
しかし重要なのは 営業利益ベースの設計 です。
ECで本当に見るべき数字は次の通りです。
- 原価率
- モール手数料(楽天・Yahooなど)
- 決済手数料
- 広告費
- 送料
- 人件費
- 固定費(出店料・システム費)
例えば、粗利30%の商品でも、
- モール手数料10%
- 広告費8%
- 送料5%
- 決済2%
これだけで実質利益は 5%前後 になります。
月商500万円でも利益は25万円。
ここから在庫ロスや値下げが発生すれば、簡単に赤字です。
「売上目標」ではなく「利益目標」から逆算する。
これがEC起業の基本です。
② 戦略なき出店は“価格競争”で終わる
失敗する人の共通点は、
「売れそうな商品」を探すことに時間を使いすぎることです。
本当に考えるべきは、
- なぜ自分が売るのか
- どのポジションを取るのか
- 価格以外で何を武器にするのか
です。
ECは基本的に「比較される市場」です。
同じ商品を扱えば、価格競争になります。
企業を目指すなら、
- 専門特化
- 独自仕入れ
- ブランド構築
- セット販売設計
- コンテンツによる差別化
といった 戦略設計 が不可欠です。
「商品」ではなく
“市場内での立ち位置”を設計すること。
これができないと、常に消耗戦になります。
③ 見落とされがちな3つのリスク
ECは参入障壁が低い分、リスクも見えにくいビジネスです。
1. キャッシュフローリスク
売上は立っているのに資金が足りない。
理由は、
- 仕入れは先払い
- モール入金は後払い
- 在庫は現金化まで時間がかかる
資金繰り設計を誤ると、黒字倒産も起こります。
2. 広告依存リスク
広告を止めると売上が止まる状態は危険です。
企業を目指すなら、
- リピート率設計
- 顧客リスト構築
- CRM施策
を並行して作らなければなりません。
3. プラットフォーム依存リスク
楽天やYahooの規約変更、アルゴリズム変化で
売上が一気に落ちるケースは珍しくありません。
モール依存100%は、実はハイリスクです。
将来的には、
- 自社EC
- SNS導線
- メルマガ・LINE資産
を持つことが安定経営につながります。
EC起業は「事業設計」が9割
ECは簡単に始められます。
しかし、“簡単に続けられる”わけではありません。
起業として考えるなら、
- 利益率は何%必要か
- どの規模で法人化するか
- 在庫回転率はどれくらいか
- 広告費率の上限はいくらか
こうした設計が必要です。
感覚ではなく、
数字で語れる状態になってからスタートする。
これが失敗しないための最低条件です。
まとめ
EC起業で失敗する人は、
- 売上を追う
- 流行商品を追う
- 広告に頼る
- 利益構造を理解しない
という共通点があります。
一方で成功する人は、
- 利益から逆算する
- 戦略を持つ
- リスクを理解する
- 事業として設計する
この違いだけです。
ECは「物販」ではありません。
経営です。
企業を目指すなら、
始める前にこの3つを必ず押さえてください。
